4月に映画「仮面ライダー1号」を観てからレンタルDVD屋に通いつめていつのまにかとんでもないことにやっていたわけです。
とくにV3を完走してからの具合がひどく、各方面からお見舞いの言葉をいただきました。ありがとうございます。大丈夫じゃないです。
そんな風に大丈夫じゃなくなってしまった最大の原因である結城丈二について、ここ2ヶ月で考えたことをまとめようかなぁと思っていたのですが、ライダーシリーズ全然詳しくないし短い期間で燃え上がっただけなのでほんとのファンの人に失礼かな…とかしばらくうずうずしてしまいなかなか書けなかったのです。
しかし一旦書きはじめると
30分で3000文字越えるとかいう不可思議現象が起こりました。ゴブリンかな?
一応「結城丈二についてまったく知らない人にプレゼンする気持ちで」書いていましたが、勢いに任せて書き上げてしまったため完全なる
考察厨のキャラ萌え記事になってしまい、思想や思考の偏りも散見され、誰も読まねえよこれというのに気づいたので、スクロールバーの幅とかで「この人は狂ってしまったんだな」と思ってブラウザをそっ閉じしてください。
ありがとうございました。
※TV版のみを観て個人的に考察しただけなのでたぶんいろいろ間違ってる。
※たぶんどこかで言われまくってることを焼き直しただけ。
①結城丈二について
「仮面ライダーV3」の終盤、第43話「敵か味方か!?謎のライダーマン」で登場します。ここから最終話までがいわゆるライダーマン編です。
デストロン大幹部ヨロイ元帥にその才能を妬まれ、裏切りの濡れ衣を着せられて硫酸プールで処刑されそうになっていたところを助手に救い出されます。
右腕溶けて瀕死の結城丈二、一か八かで開発中の義手を助手に取り付けてもらいます。結城さんは助かりましたが、助手の片桐、平、阿倍はヨロイ元帥の差し向けた怪人・カマクビガメに殺されてしまいます。
ライダーマンとして甦った結城丈二、助手三人の仇をうつため、自分を陥れたヨロイ元帥に復讐を誓います。
しかし復讐心が暴走し、仮面ライダーV3/風見志郎の足を(文字通りロープとかで)引っ張りまくり、やっとのことで追い詰めたデストロン首領を逃がしたりする始末。
風見志郎の説得もあって、正義のために共に戦うことを誓います。
最後は東京に向けて発射されたプルトンロケットに乗り込み軌道を変え自爆、多くの人々を守った行動を称え、V3から仮面ライダー4号の名を送られます。
・ライダーマン
オールライダーで並んでる写真なんかでは「一人だけ口出とるやんけ!」みたいな扱いのライダーマン(さん)。
とりあえず、ライダーマンの造型自体は言うほど変じゃないよという画像貼っときます。


ああああっ
②結城丈二の性格について
1950年11月3日生まれ(諸説あり)
若く能力の高いデストロンの科学者。IQ200。今調べたらセーラーマーキュリーは300らしいです。本郷猛は600です。インフレすぎる。
ヨロイ元帥にいちゃもんつけられたシーンで「君は僕の助手たちに命令する権利はない」と毅然と対応してたので、科学班のなかでも個人の研究室と直属の部下持てるぐらい重宝されてたんでしょう。デストロン裁判で死刑が決定するシーンでは首領にさえ「殺すには惜しい」と言われるほど。しかも、お墓の享年を見ると殺された三人の助手は結城さんよりも歳上なんですよね。圧倒的求心力。
そして子供好き。演じた山口暁さんの性格もキャラクターに影響したんでしょうか。
毒ガスで団地全滅したときは生き残った赤ん坊を何より先に救出。洗脳された子供たちが襲ってきたときは「かわいそうだが」と傷つけないようにネットで動きを封じるにとどめる。風見志郎が子供を守りながら戦ってるときに駆けつけて子供だけを避難させるシーンとかもうなんかあっ

貧しさゆえにクリスマスのお祝いができない子になんだか微妙なぬいぐるみを買ってきたのに直接渡さずに風見に託すゆ 結城丈二 あっ あああっ
そんな感じでスーツの似合う心優しい好青年(ものすごくおとこまえ)結城丈二ですが、 それだけじゃすまない部分も多くあります。
・結城丈二の有責性
結城丈二はデストロンの目的を「科学によるユートピア建設」と思い込んでいました。
第45話で風見志郎にデストロンのことを言われたとき(勝てるわけないのに)キレながら殴りかかったり、第46話では「不要になった人間の処分」を目の前にしながらもサイタンクの話を信じてさらわれた子供たちを助けようとV3を攻撃したり、デストロン関係のことになるとめちゃくちゃ短気で判断力が落ちます。
また、彼の目的はあくまでも「ヨロイ元帥への復讐」であり、風見志郎に説得されたのちもデストロン首領に対しては恩義を捨てられずにいます。
以上の点から、結城丈二は
短気で一点集中、目的を果たすためなら周囲を全く省みないという面があることが伺えます。
この性格なら洗脳も懐柔もしやすそうです。
ただ、助手を抱えた研究者としてこの性格はアレだと思うので、腕の手術のショックでもともとの詐欺被害者っぽい性格がさらに暴走したということにしておきたいですね。初登場の研究室のシーンはわりと落ち着いた対応をしていたので、もうちょっとまともだったのかもしれません。
善意が暴走するといちばんめんどくさいやつですね。
ここだけ見ると、優しさを利用されてしまったかわいそうな青年です。
しかし、端々に結城丈二という青年の根本的な危うさが見えるシーンがあります。
腕を溶かされてアジトから脱出した後、助手に義手の取り付け手術を要求した際、助手が「しかし、あれはまだ人体実験も済んでいません」という発言をします。
さらに、デストロンの科学班のトップとして研究をしてきた結城さんは、具体的な功績など明らかにされていませんが、雑誌のスチルでタイホウバッファローと一緒に写っているものがあります。

(画像見つからないためタイホウバッファローさんソロ写真)
タイホウバッファローといえばV3の映画版でとんでもない爆撃をして四国の地形を地図描き換えレベルまで変えちゃったというあの怪人です。
おそらくタイホウバッファローも素体になる人間がいたはずです。
結城さん自身はタイホウバッファローをダム建設用の岩石爆破のために作ったつもりだったという話(ソース未確認)ですが、その為だけに人間をあの形にするでしょうか…?
つまり、結城丈二は人体実験を容認していたどころか、些細な目的のために人間にかなりエグい改造を施していたということになります。
劇中で、デストロン首領に恩義を感じている理由として「研究が認められず死にたいとすら思っていた助手時代」に救ってくれたから、という発言をしていますが、研究が認められなかったのは結城さん自身の
倫理観の危うさのためだったのかもしれません。
というか結城さんの基準がよくわかりません。デストロンに不要になった人間が処刑されてるのを見たときは目をそらして「なんてひどいことを」と言っていたのに、毒ガスで団地住民が全滅して転がってるのを見てもわりと平然としてたのはどういうことでしょうか。
結城さんの中でざっくり「デストロンの理想のためには犠牲にしてもいい一般人」という分類が出来上がってたのかもしれないと考えると本格的にこの人ヤバいのではないですか。
ユートピア建設のためなら多少の犠牲は構わないスタンスなんでしょうか。
総合すると、
(目的に向かって突っ走る性格+底抜けの優しさ)×倫理観の危うさ=デストロンにとって利用しやすい人間という感じですか。
根底の倫理観のヤバさは罰するのが難しいので、基本的に善人、更正の余地ありという点で救済は許されるものと思います。
③物語全体における結城丈二の役割、風見志郎/V3との関係
・風見志郎の成長を示す役割
風見志郎/V3は第1話で家族を惨殺され、先輩の本郷猛/1号、一文字隼人/2号に「俺を改造人間にしてくれ」と懇願しますが、「
個人の復讐のために手は貸せない」と拒否されます。
その時に風見志郎が用いた言葉が「
復讐の鬼」です。手術直後の結城丈二が怪人に向かってあげた名乗りと同じです。
さらに、結城丈二の暴走を止めようと説得する風見志郎は「改造人間として、この苦しみ、悩みは君にもわかるはずだ。
個人の復讐は忘れるんだ!」と言ったりします。
1号、2号にかつて言われたことと同じことを言っています。
ヒーローとして未完成の結城丈二の登場によって、風見志郎のヒーローとしての成熟、先輩ダブルライダーに追い付きつつあるということが明確に示されました。

・V3の初めての対等な仲間
序盤からおやじさんや純子さん(ちょうかわいい)、
販促要員少年ライダー隊が近くで支援してはいましたが、怪人相手になると人質の域を出ず、戦闘ではV3ひとりです。
先輩のダブルライダーは第2話で怪人とともに爆発、消息不明になります。後に帰ってきましたがまたすぐに旅に出てしまいます。
中盤でデストロンハンター(笑)の佐久間ケンが出てきますが、役に立った場面がほとんどないまま
風見志郎にもなんだか邪険な扱いをされて自然消滅します。おそらく前作のFBI捜査官・滝和也ポジションを狙ったのでしょうが、無理でした。
画面は賑やかなわりにV3は常に孤独です。
風見志郎の立場としては、結城丈二のことはほっといてもよかっただろうと思います。デストロン首領は結城丈二のことを捨て駒のひとつと認識してたようですし、非力さを考えてもほっとけば自爆してたと思います。
しかし、説得して仲間にしようという姿勢は崩しませんでした。
大切なものを失った改造人間という同じ境遇の仲間が欲しかったのかもしれません。
クリスマス回の最後で子供へのプレゼントを託してどっかに消えちゃった結城さんが正月回ではシレッとライダー隊本部にいる(けっこう所在なさげで気まずそう)点からも、本編で描かれなかった一週間のあいだに風見志郎は相当頑張ったんじゃないでしょうか。
妄想補完するところです・問題のナレーション
「結城丈二の世界は、今音を立てて崩れていった。彼の愛したデストロンはまさに憎むべきものだったのだ。そしてその時、仮面ライダーV3は、まさに
愛の救世主だった」
ぼくたちはこれをどう処理すればいいんですか?
・例の海岸のシーン
第48話、せっかく追い詰めたデストロン首領をライダーマンが逃がしてしまいけっこうイライラしてる風見志郎と、反省してる結城丈二が海岸で話すシーン。
「俺は、どんなに軽蔑されようと殴られようと蹴られようと殺されようと、今は何とも言い訳出来ない。何故あんなことをしてしまったのか」
畳み掛けるように喋る結城さんちょうかわいい。
結城さんは、「恩人が目の前で倒されるのを見たくなかったんだ」「もし君が僕と同じ立場なら、君でも…」と続けます。
風見志郎は、デストロンのために家族や先輩、普通の人間の体と生活を失いました。そんな風見に対して仮定形とはいえデストロン首領を助けるとかいう地雷ブチ抜き発言しちゃう結城さん空気読めなすぎてちょうかわいい。
それに、ここで風見志郎が結城丈二の行動を「俺でもそうするだろう」と肯定したら、戦いに私情を挟むことを肯定することになり、目の前にいる結城(デストロン側の人間、家族の仇)をマッハキックしてもいいことになります。
風見志郎は「わかったよ、結城。お前はいいやつだな、今時珍しいよ。ただ二度とあんなことはするな。」と釘をさしつつ素直に結城さんを許してあげます
いくらなんでも甘すぎませんか? 風見志郎は結城丈二を仲間にしたくてしかたがなかったゆえ、今更手放したくなかったようにも見えます。見えませんか?すみません。

アメトークでも取り上げられたバカ握手。
・第49話
誓いの(変な)握手をした次の回。
V3の成熟を際立たせるために登場した弱いヒーロー・ライダーマンがV3の命を助ける回です。
この回好きすぎてパソコンのスクリーンショットが400枚とかになってました。
結城丈二大活躍、ゲストヒロインかわいい、ここに来て露になった風見志郎の心の弱さ、いろいろ集大成の回だと思います。
なんで風見志郎のアパートに普通に出入りしてるのか。同居か?
結城丈二は風見志郎を引きずってくる程度の力なのにライダーマンに変身するとお姫様だっこできるんですね。素敵。
本題から外れるけど街中で女の子とぶつかって警察にしかられて呆然としてる風見志郎のスタイルがよすぎて震える。

あああああっっ
・ヒロイン交代
結城丈二が登場してから本来のヒロインの珠純子さん(ちょうかわいい)がまったく活躍しなくなります。人質の役割を結城丈二がぜんぶやっちゃうからですね。
結城丈二はヒロイン。
③結城丈二の最期
プルトンロケットです。都民を守るために犠牲になりました。
Wikipediaには、もともとライダーマンは死ぬ予定じゃなかったが、悪の道に染まった者がライダーになるためにはそれなりの禊が必要だという意味でそういう脚本になったとあります。
ただ、命をもって禊をするほどの純粋な悪人とは思えず。
人々を守るために安全な場所で爆死するヒーローというのはおそらくよくあるパターンで。パーマンとか。
第2話のダブルライダーが人々を守るために怪人を担いで犠牲になったのと同じことをライダーマンがやった、というところに意味があるのだと思います。
しかしこのままだとかわいそうなのは風見志郎/V3です。苦労して説得して
同棲までしたのにやっとできた仲間が目の前で爆死。
おやじさんに「結城くんはどうした?」と聞かれて無線で報告するシーンは切ないですが、
無線機のアンテナのしまいかたがめちゃくちゃかっこつけてたのでさすが宮内洋だなぁとおもいました。
⑤ところがどっこい生きていた
仮面ライダーV3の次の作品、仮面ライダーXの劇場版「五人ライダー対キングダーク」でシレッと登場します。
あの爆発からどうやって生還したのかとか、タヒチでちゃっかりバカンスかよとか、なんで左手にカセットアームつけてるのとか、ベルト逆だよとか、いろいろありますが、生きててよかった!
「ぼくのライダーマン」の歌詞、「きみは遠い 遠い国で生きている」のことを考えると復活まで折り込み済みだったのでしょうが、遠い国=タヒチのことだと思うと笑えます。
しかし、復活の予定がもともとあったなら生還の理由をもうちょっと説明してほしかった。「ところがどっこい生きていた」って。
⑥悪化する性格、「風見さん」問題
仮面ライダーストロンガーの終盤で結城丈二が出てきます。
ただ、
人の話を聞かない一直線バカっぷりに拍車がかかってしまったようで城茂/ストロンガーを
敵と間違えて襲ったり、調子のって
大幹部とタイマンして溺れたりします。プルトンロケット爆発のショックでさらに悪化した説。
こんな失態をおかしても「いやぁ、すまぁん」の一言で許されちゃいます。
ライダーたち、全体的に結城さんに甘すぎませんか? あとなんか風見志郎のことを「風見さん」とか言って完全に舎弟状態です。記憶喪失説とか直前に風見の機嫌を損ねた説とかありますが、ひとつ言えるのは脚本しっかりしろということです。

溺れライダーマンさん。
⑦山口暁さんについて
仮面ライダーに対する思い入れがすごくて、ライダーをやらせてくれとプロデューサーの自宅に直談判しにいったというエピソードがあります。もうすでに結城丈二っぽい。
風見志郎役に抜擢する可能性もあったとか。
山口版風見志郎、ちょっと見てみたい気もします。影のある演技似合うだろうな。
思ってたよりも山口暁さんの「結城丈二」の出演って少ないんですよね。
1986年に亡くなられたため、新しい結城丈二を観ることはもはや叶いませんが、ここまで素敵なキャラクターに育ったのは間違いなく演じた山口暁さんのおかげです!ばんざい!すき!
山口暁さんが演じる他のキャラクターについても書きたいですがとんでもないことになるのでやめておきます!
ただひとついえるのが、大体のキャラが結城丈二と同じ熱血うっかりさんだということです。



画像だけ貼る。
⑧そんな結城丈二がニコニコ動画で観られるよ!
ニコニコ動画の東映公式チャンネルでは毎週日曜日10:00に仮面ライダーV3を配信!72時間無料公開されているので要チェックだ!
→ http://sp.ch.nicovideo.jp/TOEIcojp
結城丈二登場は11月の3週目ぐらいになるですよ!
結局8000字くらいですみました。